注文住宅の施主に求められる家づくりを成功に導く4つの力とは?
当然のことながら家づくりは人生における一大プロジェクトです。 それを成功に導くためには、かなりのパワーを必要とします。
特に家を買うのではなく、家をつくる、つまり注文住宅の場合には買う場合よりパワーを必要とします。
注文住宅の家づくりにおいて、必要なパワーとしては知力・気力・資力・コミュニケーション力の4つが挙げられます。
知力
まず知力は、知識量とその理解度の掛け算です。
家づくりの知識には、法規制、基本工法、断熱工法、建築資材、住宅ローンなど知っておいた方がいいものだけでも非常に多くあります。 知識は、持っているだけでは役に立ちません。
理解度を深め、いつでも引き出せるように知力として身に付けていることが必要です。 それは自分自身の価値観とセットにすれば、適正な判断につながりますから、常に磨いておく必要があります。
知らないでいて、結果的に誤った判断を下すということは、家づくりだけでなく、どんな場面でも言えることです。 積極的に情報を入手し、自分の引き出しの中身を充実させておくといいと思います。
情報については、別のコラム「氾濫する家づくりの情報の中で適確に判断するための2つのポイント」でも触れました。
さて、このように必要な知力ですが、使い方を間違えると悪い方向へ導く可能性があります。
一つは、価値観(ここでは優先順位といってもいいかもしれません。)と知力とのバランスがとれていない場合です。
(つまり、価値観が明確になっていないのに、知力だけが向上すること)
知力と価値観はセットで適正な判断に導きますが、価値観が明確になっていないと、いろいろな情報だけが頭の中にセットされ、迷ってうまく判断できなくなる可能性があります。
うまく判断できない場合には、気力も関係することがありますが、その点は後でお話しします。
もう一つは、知力が相手の専門領域に入りすぎる場合です。 これは、別のコラムの「何をいまさらと思うかもしれない、注文住宅の家づくりにおけるコミュニケーションの重要性」でも触れていますが、知っているだけならいいのですが、相手の専門領域にまで口をはさみすぎるのは、相手の心証としてはいいものではありません。
相手をその道のプロとして認め、信頼することで家づくりはいい方向へ向かいます。
気力
次に、気力ですが、これは意欲と言い換えてもいいでしょう。
気力とは、「将来希望する生活のために新しい家づくりを成功させたい」という意欲です。
これがベースになければ、家づくりはそもそも成立しませんし、これが弱まれば適正な判断力が鈍る可能性があります。
家づくりを成功させたいという気力が弱まれば、妥協が多くなってきます。 面倒くさくなってきたから、まあこれでもいいか~なんていう判断が積み重なり、優先順位の高い条件でも妥協してしまうことにもなりかねないのです。
それでは、気力を保ち続けるにはどうすればいいか、ですが、それは、別のコラムの「注文住宅の家づくりをスタートする時にやっておきたい、たった一つの大事なこと」に繋がります。
新しい家に夢を描く、つまり具体的なイメージを持っておくことで、将来待っているだろう新しい生活のイメージを鼻の先の人参として、ワクワクして走り続けることができるのです。
それがないまま、資金計画を立てたり、工法などの情報を集めたりしているだけではいつか神経をすり減らして、まいってしまうことにもなりかねません。
イキイキとして、気力充実した家づくりにしてほしいものです。
資力
そして資力。 他の3つの力があっても、当然のことながら資力がなければどうしようもありません。
「組んでからでは遅い!住宅ローン(資金計画)で多くの人が陥りがちな重大な問題点」で取り上げましたが、将来のライフプランを考慮した収支バランスを見て、頭金をキャッシュとして、どのくらい必要か、住宅ローンはどのくらい組むのが適正なのか、を判断しなければなりません。
資力には、計画性と背伸びをしないことが求められます。 資力が十分でない場合には、背伸びをしないで、計画性を持って、十分な資力となるまで待つことも必要です。 無理をすると経済的なひっ迫につながりやすくなりますので。
コミュニケーション力
最後にコミュニケーション力ですが、これは何も家づくりだけでなく、様々なシチュエーションで求められるものです。
注文住宅の施主に求められるのは、以下の2つです。
- 施主の家族間のコミュニケーション
- 施主と業者間のコミュニケーション
これらについて、うまくコミュニケーションが図られなければ、家づくりというプロジェクトはうまくまわりません。
詳細については、「何をいまさらと思うかもしれない、注文住宅の家づくりにおけるコミュニケーションの重要性」でまとめていますので、ご参照ください。
まとめ
このように注文住宅の家づくりでは、様々なパワーを必要とします。
家づくりをスタートさせるなら、気力・資力は必須条件です。
知力は、家づくりスタート前にもある程度は必要ですが、家づくりをしながらでもどんどん磨いていって下さい。
コミュニケーションについては、特に家族間のコミュニケーションについては日常の在り方が問われるので、すぐに何とかなるものではありませんが、家づくりの会話の機会を意識的に増やす努力は必要だと思います。また業者とのコミュニケーションについては、常に相手にきちんと伝わっているかを念を入れて確認しておく必要があります。
以上の4つのパワーがOKなら、成功する家づくりのための基礎・土台はしっかりとしているはずです。
プロジェクトリーダーとして自信をもって注文住宅の家づくりをすすめてください。
2016/06/10