家の資産価値を保つ、日本人が苦手なメンテナンスの主なポイント

メンテナンスの主なポイント

家のメンテナンスがなぜ重要かと言えば、家をより長持ちさせるために必要な要素だということです。

最初に家が長持ちするための要素を整理したいと思います。

建築物が長持ちするための5つの要素

用途・使用目的に合った適切な材料・資材を使用していること

これは他のページで取り上げている「木材の適材・適所」にもつながりますが、木だけでなく用途、使用目的に合わせて、適切な材料・資材を使用していることが必要です。

適切な設計がなされていること

構造計算による様々な荷重に対する耐力だけでなく、日照、雨水、通風などの設計も建築物の寿命に影響を与えます。

結露対策がとられていること

特に木造建築に関してですが、結露は確実に建物の寿命を縮めます。温暖湿潤な日本の気候においては、結露対策がきちんととられていないと、その影響は構造体に及び、家の耐久性を著しく損ないます。

適切な施工がされていること

当たり前の話ですが、上記の材料、設計、結露対策を十分考慮していても、施工段階で適切な工事がなされなければ、すべては台なしです。長寿命の家を建築したいなら、施工技術レベルの高い業者の選択はマストです。

継続して適切なメンテナンスがとられていること

この最後の要素が今回のメインテーマです。

日本人は新品に対する思い入れが強く、わずかな細かいキズをチェックしたり、非常に厳しい目で吟味するような神経質な一面があるかと思えば、一旦手に入れてしまえば、それを大事に長く使っていこうという意識があまり見られないような気がします。
もちろん、これは人によって異なりますが、家についてもそのような方がいらっしゃいます。

確かに家のメンテナンスは面倒な一面もありますが、これからの日本の家は寿命の短い使い捨て(25年も経てば資産価値ゼロ)のような家ではなく、長寿命で受け継がれる家(資産価値のある中古住宅として)になっていきますから、そのためには適切なメンテンナンスは必要不可欠なのです。

日本人と比較して欧米の人たちは物を大事にする傾向があるようです。家についても、資産価値を落とさないように売却や次世代への引き継ぎを念頭において、大事にメンテナンスを行う人が多いと聞いています。

しかし、忙しい現代日本人は、何事も手間というものを嫌い、メンテナンスについては、とにかく楽にしたがります。楽をしたがることに自体は全く問題ありませんが、楽というよりメンテナンスフリー、つまりまったくメンテナンスをしないという人がいます。

このことは問題です。現在の住宅では、楽なメンテナンスですむようにいろいろ工夫はされてきていますが、それでも全くメンテナンスをしなくていい家というのはありません。

家を長持ちさせるには、家の状態を観察して、早めに手を打つことが必要になります。
病気の早期発見・早期治療のようなものです。

家の状態の観察は、まず住んでいる人が習慣として行っていく必要があります。
もちろん業者に定期的に見てもらうこともいいと思いますが、意識的には自分の家のことは自分が一番分かっているくらいにしておきたいものです。
その上で何かあれば、業者(一般的には家を建てた業者になりますが、信頼関係が築けていない場合には他の専門業者)に専門的な判断を仰ぐということになると思います。

さて、家のメンテナンスが必要な主な部分として、それぞれ簡単にチェックポイントをあげていきたいと思います。

家のメンテナンスのチェックポイント

<外壁>

新築から5~8年後が最初の点検時期。
ただし、以下のような症状があれば速やかに対処しましょう。

サイディング

表面をこすって塗料の粉末が付着したら劣化の兆候。金属系は錆が出たり、窯業系は割れたり反ったりすることもあり。また、継ぎ目のシーリング材が傷んでいると、雨水が侵入しやすくなるので、注意しましょう。

モルタル

施工後2~3年経つと、細かなヒビが生じることがあります。内側で防水されているので、髪の毛よりも細かいヒビなら心配ありません。気になるようなら、スプレータイプの浸透性防水剤を吹きつけたり、コーキングを施したりします。大きなヒビは施工業者に連絡しましょう。

<屋根>

新築から5年後くらいが最初の点検時期。ただし、屋根に一般の方が登るのは危険なので、点検や補修の際は、業者に依頼して下さい。

彩色スレート瓦、粘土瓦

ずれたり割れたりすると、そこから雨水が侵入します。定期点検は5年に一度くらいが目安。時期は台風シーズンの後がお勧め。

金属板葺き

トタン屋根は、錆が出てきたら要再塗装。
また新築から15~20年後が葺き替えの時期の目安。

ガルバニウム鋼板はトタンの3~6倍の耐久性があると言われています。
トタン同様、塗装のはがれや錆に注意しておく必要があります。

<雨樋>

新築から5~7年後が最初の点検時期。
簡単な点検方法は、雨の後で水があふれていないか下からチェックします。
水があふれていたら、落ち葉やゴミが詰まっているので、掃除が必要。
高所の作業は危険なので、業者に依頼する方がいいでしょう。

<サッシ・建具>

サッシは新築後10年目くらい、建具は新築後5年目くらいに点検・調整を行います。
もちろん普段使用していて何かあれば業者に調整を依頼します。

建具やサッシの動きが悪くなる原因は、建具やサッシだけに問題があるとも限りません。
建物の歪みや不動沈下も考えられるので、業者に診断してもらいましょう。

<床下>

シロアリの駆除や予防には、様々な方法があります。
多くの業者が設定している保証期間は5年です。防蟻処理したからといって安心せずに、日頃から蟻道などのチェックをしておく必要があります。
状況を見ながら業者とともに対策を練っていきましょう。

<デッキ>

新築から10年目くらいがメンテナンス時期。
腐りや風化が激しければ交換しなければなりません。
デッキを長持ちさせるには、板と板の間の風通しを良くし、木材腐朽菌を寄せ付けないように土に触れさせないことです。

他にもいろいろとありますが、いずれにしても、日頃から家に関心を持って観察しておき、何か異常があれば、信頼できる業者に依頼できる体制にしておくことが重要です。

こうした日頃の行動の積み重ねが、何十年か経た後に、メンテナンスをしていない家との「健康状態」の大きな差になって現れてくるのです。

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      2016/06/10

 - 家づくりコラム